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それが運命の恋ならば
第6章 新たなる運命
窓際の席に座り、四人は貌を見合わせ、ほっとしたように笑った。
「やっと会えたわねえ。凪子ちゃん!」

…やっぱり、このひとたちが好きだ…。
凪子は嬉しさに胸が一杯になる。
雄大はもとより、桃馬もケンも、凪子にとって初めて出来た大切な友人だ。
だから、彼らといると温かな安堵感に包まれるのだ。

「…しっかし、すんごい豪邸…つ〜か、すんごいお屋敷だったわねえ。
アタシの大好きなダウントンアビーに出てくるザ・貴族の館!みたいだったわあ。
ヒューズさんみたいな家政婦さんは出てくるわ…もうびっくりよお〜!
…凪子ちゃんて、ホンモノのお嬢様だったのねえ…」
ケンが感心したようにため息を吐いた。

「俺んちもまあまあデカいとは思うけど、高遠さんちはちょっと次元が違うつ〜か、なんかタイムスリップしたみたいな家だったよなあ」
「確かにせやなあ。
俺も一瞬眼を疑ったわ」
三人は口を揃えて驚きを語っている。

「…あの武蔵野のお家は別邸らしいの。
ご本宅は奥様の慰謝料に差し上げたそう…。
それでも大きなお家よね」
凪子は控えめに答えた。

「奥様…て凪子を奪って尼寺に預けた鬼ババやろ?
そんな奴が大金せしめたかと思うとハラ立つなあ…!」
雄大は自分のことのように憤る。

「もういいの。
お父様にも会えて、一緒に暮らせたのだし…。
二人が暮らすには、あのお家では広すぎるくらいだわ」
朗らかに微笑む凪子を、雄大はやや切なげに見つめる。

「…まあ、凪子が幸せなら、俺はええけどさ」

「俺はヤダな」
桃馬がぐびりとアイスコーヒーを飲み干すと、呟いた。

「凪子ちゃんがいないあの家なんて、マジつまんねえし、マジサイアクなんだけど」
「…桃馬さん…」
困ったように眉を寄せる凪子に、ケンが遠慮勝ちに告げた。

「…リーくんね、凪子ちゃんがいなくなってから、全然お家に帰って来ないんですって…」
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