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それが運命の恋ならば
第6章 新たなる運命
「…え…?」
凪子はどきりとすると同時に耳を疑った。
李人の近況は、一番尋ねたかったことだ。
元気でいるのか、どんなふうに暮らしているのか、少しでも知りたいと思っていた。
その李人が自宅に帰っていないとはどういうことなのか。

「李人様、お仕事がお忙しいのですか?」
凪子の質問に、桃馬は肩を竦める。
「知らない。
だって兄貴、凪子ちゃんが家を出た日から全くウチに帰ってこねえんだもん。
だから俺、もう何ヶ月も兄貴の貌見てねえんだ」

凪子は息を呑んだ。
「…そんな…」
…李人様に何かあったのだろうか…?
桃馬さんを放っておくなんて、そんなことはあり得ないことだ。
李人は桃馬に厳しかったが、それは愛情の裏返しだ。
それを桃馬も煩く思いながらも、ちゃんと感じ取っているに違いない。
だから、桃馬もどことなく寂しげなのだ。
…不安が、さざ波のように押し寄せてきた。

ケンがいつものお喋りな調子ではなく、神妙な面持ちで口を開いた。
「…アタシはリーくんに会ってきたわ」






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