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それが運命の恋ならば
第6章 新たなる運命
「どうでしたか?お元気でしたか?」
凪子が矢継ぎ早に質問をする。
そんな普段の控えめな様子とはがらりと変わった凪子に、ケンは眼を丸くしつつ、答える。

「…元気…には見えたかもね。
少なくともリーくんをよく知らない人には…」

ケンはコーヒーカップをソーサーに戻し、改った口調で話し出す。

「アタシ、リーくんのホテルのカフェにケーキを卸しているのよ。
手作りのオリジナルチーズケーキなんだけど、ウチのお店だけじゃもったいないから良かったらホテルで販売しないかって声かけてもらっててね」
「…ケン、いろんなことしてんだな…」
「ほんまやな…」
桃馬と雄大が囁き合う。

「でね、リーくんの様子が気になるから、ちょっとオフィスに寄ってみたの。
そしたら、すごく人当たり良い笑顔浮かべて迎えてくれたんだけど…」

ケンはため息を吐いた。

「…あれは、いつものリーくんじゃなかったわ…。
なんていうのかしら…」
言葉を選びながら、続ける。

「…感情を押し殺した美しい仮面を被ったリーくんよ」
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