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それが運命の恋ならば
第7章 その薔薇の名前は
「…こちらで少々お待ち下さいませ。
間もなく千晴様が参られますので…」
その薔薇の薫りでむせ返るような満開のローズパーゴラの下、純白のリネンで覆われ、見るからに高価そうなアンティークの茶器が並べられた広いテーブルに案内すると、濃紺の裾の長い制服に身を包んだ家政婦は恭しく一礼をした。
…歳の頃、硬質ないかめしい顔立ち、抑揚のない低い声、隙のない立ち居振る舞い…。
七重と名乗ったその家政婦は、律にもトキにもどことなく似ていた。
「…ありがとうございます…」
…名家の家政婦は皆、似てくるのだろうか。
凪子はやや緊張しながら会釈を返し、脈略なく考えていると、七重はほんの微かに微笑んだ。
「…どうぞごゆっくり薔薇を眺めていらして下さいと、千晴様は仰せでございます…」
間もなく千晴様が参られますので…」
その薔薇の薫りでむせ返るような満開のローズパーゴラの下、純白のリネンで覆われ、見るからに高価そうなアンティークの茶器が並べられた広いテーブルに案内すると、濃紺の裾の長い制服に身を包んだ家政婦は恭しく一礼をした。
…歳の頃、硬質ないかめしい顔立ち、抑揚のない低い声、隙のない立ち居振る舞い…。
七重と名乗ったその家政婦は、律にもトキにもどことなく似ていた。
「…ありがとうございます…」
…名家の家政婦は皆、似てくるのだろうか。
凪子はやや緊張しながら会釈を返し、脈略なく考えていると、七重はほんの微かに微笑んだ。
「…どうぞごゆっくり薔薇を眺めていらして下さいと、千晴様は仰せでございます…」