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それが運命の恋ならば
第9章 その薔薇の名前は 〜ローズガーデンの恋人たち〜
「…まあまあ…!
なんてお美しい…!
まるで花嫁様のようですよ」
ドレスの着付けを終え、凪子の白く細い頸筋に上質な光を放つ真珠の首飾りを飾った律が興奮したように声を上げた。
「…白いドレスだからそう見えるのでしょう…」
凪子は恥じらいながら眼を伏せる。
…千晴から贈られたドレスは、上等なシフォン地にレースが華やかに縁取られた優美なものだった。
ほっそりとした身体付きを表すハイウェストに、裾は踝が隠れるくらいの長さである。
その姿は、まるで可憐なジュリエットのようだ。
律は密かに感心した。
千晴は凪子が似合うものを、瞬時に見抜いているのだ…と。
…結婚式でもないのに、なぜ白いドレスなのだろうかと疑問を口にする凪子に、律は凪子の髪のカールを直してやりながら語り始めた。
「…かつてヨーロッパの上流階級のレディは白いドレスを着るのがお決まりでした。
白いドレスは、その美しさを保つのに大変な費用と手間が掛かるものです。
庶民にはとてもそんなお金も時間もありません。
選ばれた一握りの方だけが身に纏うことができるのです。
常に美しい白いドレス姿でいることは、上流階級の女性たちの矜持でありステータスでもあったのです。
…千晴様は、凪子様がお似合いになるものをよくお分かりですわ」
…この真珠も…
と、薄紅色を秘めた美しい真珠の首飾りに律は眼を細める。
「…御木本の最高級の花珠ですわ。
さすがは千晴様。
お眼がお高い」
なんてお美しい…!
まるで花嫁様のようですよ」
ドレスの着付けを終え、凪子の白く細い頸筋に上質な光を放つ真珠の首飾りを飾った律が興奮したように声を上げた。
「…白いドレスだからそう見えるのでしょう…」
凪子は恥じらいながら眼を伏せる。
…千晴から贈られたドレスは、上等なシフォン地にレースが華やかに縁取られた優美なものだった。
ほっそりとした身体付きを表すハイウェストに、裾は踝が隠れるくらいの長さである。
その姿は、まるで可憐なジュリエットのようだ。
律は密かに感心した。
千晴は凪子が似合うものを、瞬時に見抜いているのだ…と。
…結婚式でもないのに、なぜ白いドレスなのだろうかと疑問を口にする凪子に、律は凪子の髪のカールを直してやりながら語り始めた。
「…かつてヨーロッパの上流階級のレディは白いドレスを着るのがお決まりでした。
白いドレスは、その美しさを保つのに大変な費用と手間が掛かるものです。
庶民にはとてもそんなお金も時間もありません。
選ばれた一握りの方だけが身に纏うことができるのです。
常に美しい白いドレス姿でいることは、上流階級の女性たちの矜持でありステータスでもあったのです。
…千晴様は、凪子様がお似合いになるものをよくお分かりですわ」
…この真珠も…
と、薄紅色を秘めた美しい真珠の首飾りに律は眼を細める。
「…御木本の最高級の花珠ですわ。
さすがは千晴様。
お眼がお高い」