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それが運命の恋ならば
第9章 その薔薇の名前は 〜ローズガーデンの恋人たち〜
「…貴方を愛しています。
最初にお会いしたときから…ずっと…ずっと…!」

…そう。
あの尼寺の鄙びた茶室で、一眼見たときから、ずっと惹かれていた。
あの薄暗い茶室に、李人が入ってきた瞬間、凪子の世界は初めて色を得たのだ。
輝き出したのだ。
その美しいひとに妻にと願われ、初めて幸せを感じた。
生きる場所を与えられ、どれだけ嬉しかったか…。
だから、どんな仕打ちをされても耐えられた。
このひとを、愛してしまったから…!

凪子は堪えきれぬ熱い思いの心のまま、李人の胸に倒れ込むように抱き付いた。

言葉は、涙とともに堰を切ったように溢れ出した。

「愛しています…!
貴方が私を愛していなくても、構わない…!
そんなことはどうでもいいのです…!
私が貴方を愛しているから…!
だから…貴方のおそばにいさせて下さい…!」

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