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それが運命の恋ならば
第11章 ふたつの月
「…李人様…」

李人もまた白い夜着を身に纏っていた。
夢のように気高く美しいその姿に、暫し見惚れる。

李人は優しい微笑みを浮かべたまま、凪子の傍らに膝を突く。
白檀の薫りが、凪子を包み込む。
やや照れたように李人は、その切長で伶俐な瞳を細めた。
「…やっと二人きりになれたね…」

凪子は恥ずかしそうに俯きながら頷いた。
「…ええ…」

凪子の雪のように白い頬に李人はそっと手を伸ばし、囁いた。
「…私を見て…」
おずおずと見上げる凪子に、李人は感に耐えたように声を上げた。

「…美しい…!
貴女の美しさはどんな時も変わらない…。
いつも色褪せずに、光り輝いている…」
「…そんな…。
…李人様こそ…」
…息が止まるほどに、近寄り難いほどに美しく、端麗で…。
そんな李人に、出会った瞬間に魅了されてしまったのだ…。

「…お会いしたかった…」
心からの言葉が、涙と共に溢れ出る。

「…凪子…!
…愛している…!」
強く抱き竦められ、そのまま熱い口づけを与えられる。

「…ん…っ…ああ…りひと…さ…」

…長く甘く激しい口づけは、愛の営みの序曲であった…。

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