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それが運命の恋ならば
第11章 ふたつの月
「…李人さ…」
凪子の白い頬に手を伸ばし、優しく触れられる。
「…貴女があまりに可愛くて、愛しすぎました…。
躰は大丈夫ですか?」
あからさまに尋ねられ、その頬は見る見る内に朱に染まる。
…昨夜の甘く狂おしい愛欲の時間が鮮やかに甦る。

「…は、はい…」
「良かった…」
そのまま額に軽く口づけされ、髪を撫でられる。
まるで子どものように大切に扱われ、くすぐったくも嬉しい。

「安心しました」
李人は快活に笑った。

「今、トキを呼びました。
お着替えとお化粧が終わったら出かけますよ」

「え?」
面食らう凪子に
「…小旅行に出かけましょう。
私たちは新婚旅行もまだ済ませてはいなかった」
楽しげにウィンクして見せたのだ。

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