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それが運命の恋ならば
第11章 ふたつの月
「…それは…それだけは…」
苦悶に満ちた表情のまま、微かな畏れを感じさせる表情で、禅は立ち竦む。

李人は優しく眼を細める。
「何を躊躇しているのだ。
凪子が妊娠したら…と考えているの?
…妊娠したら…
それこそ、喜ばしいことじゃないか?
…私たち、三人の子どもなのだから…」
李人の輝くような美貌には、どこか高揚したような、恍惚とした表情が浮かんでいた。
「…凪子がもし孕ったら、その子どもは私たち三人の子どもだ。
私は父親を調べたりするような無粋な真似はしない。
どちらの子どもでも構わないのだ。
大切に大切に可愛がるよ」
…だから…

「…凪子を抱くのだ。
このまま…」
李人が背後から凪子の腰を抱き、禅の方に差し向けた。

「…お前が凪子を抱くさまを、早く私に見せてくれ」

「…ああ…っ…!」
…凪子の腰に、再び強く兆した李人の熱い牡が押し当てられたのだ。

「…お前が凪子を抱くことを想像するだけで…私は今にも達してしまいそうになるのだよ…」

…興奮と情欲と甘い色香に彩られた声が、寝室を…そして凪子と禅を、妖しく支配するのだった。


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