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それが運命の恋ならば
第12章 それが運命の恋ならば
「…桃ちゃん、桃ちゃんてば。
ちょっと、大丈夫?」
のんびりしたケンの呼びかけに、はっと我に帰る。
…ああ、いけね。
めでたいお祝いの日になんてヘビィな回想をしてしまったんだ、俺は。
…気がつけば、薔薇の庭園には着飾った招待客たちで溢れている。
そろそろお披露目の祝宴のガーデンパーティーが始まる時間なのだ。
アフタヌーンドレス姿のピアニストが静かに奏でるのは、エルガーの愛の挨拶だ。
一際華やかな人垣の中心にいるのは、高遠一族を統べる本家当主、高遠泰彦氏…凪子の父親だ。
遠目からでもその嬉しそうな幸せそうな表情が伝わってくる。
…最愛の娘の出産、孫の誕生…そしてそのお披露目の祝宴となれば、当然だろう。
上質の黒い燕尾服に正装したその姿は、高貴そのものだ。
顔色も良く、すっかり健康を取り戻しているようで、良かったな…と桃馬はほっとする。
「…で?
何に悩んでいるの?桃ちゃんは。
三人で抜いちゃったコト?」
さらりと天気でも尋ねるように問われ…
「…うん、まあね…っ…て、おおおいっ!
な、何言ってんだよ!
ぬ、ぬ、抜くワケねえだろうがよ!」
「…そうかなあ?
アタシなら毎晩、ご馳走になりにゆくけどなあ〜?
あ〜んな綺麗な三人がこ〜んなお屋敷でめ〜っちゃえろいことイタしてるんでしょ?
…ああん!妄想だけでごはん三杯はイケるわ!」
「イケるか!…いや、ちょっとイッちゃったけど…じゃなくて!
俺はなあ、凪子ちゃんをそんな目で見てねえんだよ!」
いきり立って憤然とする桃馬に、ケンはしみじみとした口調で語りかける。
「…桃ちゃんもカワイソウよねえ…。
…ヤリたい盛りの健全な青少年がさ、何の因果かこんなアムールとエロスと背徳の館に同じ屋根の下で…。
超美人な憧れの兄嫁は、オットと庭師にあ〜んなことやこ〜んなことされててサ。
そりゃ、覗きのひとつもしないとやってらんないわよねえ〜!青少年!」
「覗いてねえし!ヤッてねえし!抜いてねえし!」
ぎゃんぎゃん反論する桃馬に、ケンが肩を叩く。
「ちょっと、来たわよ!リーくん達よ!」
…庭園に集まった招待客たちの視線が一斉に、庭続きのバルコニーの入り口に向けられた。
ちょっと、大丈夫?」
のんびりしたケンの呼びかけに、はっと我に帰る。
…ああ、いけね。
めでたいお祝いの日になんてヘビィな回想をしてしまったんだ、俺は。
…気がつけば、薔薇の庭園には着飾った招待客たちで溢れている。
そろそろお披露目の祝宴のガーデンパーティーが始まる時間なのだ。
アフタヌーンドレス姿のピアニストが静かに奏でるのは、エルガーの愛の挨拶だ。
一際華やかな人垣の中心にいるのは、高遠一族を統べる本家当主、高遠泰彦氏…凪子の父親だ。
遠目からでもその嬉しそうな幸せそうな表情が伝わってくる。
…最愛の娘の出産、孫の誕生…そしてそのお披露目の祝宴となれば、当然だろう。
上質の黒い燕尾服に正装したその姿は、高貴そのものだ。
顔色も良く、すっかり健康を取り戻しているようで、良かったな…と桃馬はほっとする。
「…で?
何に悩んでいるの?桃ちゃんは。
三人で抜いちゃったコト?」
さらりと天気でも尋ねるように問われ…
「…うん、まあね…っ…て、おおおいっ!
な、何言ってんだよ!
ぬ、ぬ、抜くワケねえだろうがよ!」
「…そうかなあ?
アタシなら毎晩、ご馳走になりにゆくけどなあ〜?
あ〜んな綺麗な三人がこ〜んなお屋敷でめ〜っちゃえろいことイタしてるんでしょ?
…ああん!妄想だけでごはん三杯はイケるわ!」
「イケるか!…いや、ちょっとイッちゃったけど…じゃなくて!
俺はなあ、凪子ちゃんをそんな目で見てねえんだよ!」
いきり立って憤然とする桃馬に、ケンはしみじみとした口調で語りかける。
「…桃ちゃんもカワイソウよねえ…。
…ヤリたい盛りの健全な青少年がさ、何の因果かこんなアムールとエロスと背徳の館に同じ屋根の下で…。
超美人な憧れの兄嫁は、オットと庭師にあ〜んなことやこ〜んなことされててサ。
そりゃ、覗きのひとつもしないとやってらんないわよねえ〜!青少年!」
「覗いてねえし!ヤッてねえし!抜いてねえし!」
ぎゃんぎゃん反論する桃馬に、ケンが肩を叩く。
「ちょっと、来たわよ!リーくん達よ!」
…庭園に集まった招待客たちの視線が一斉に、庭続きのバルコニーの入り口に向けられた。