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それが運命の恋ならば
第2章 初夜
「…⁈」
凪子は訳がわからず動揺した。
なぜ夫婦の寝室に、庭師の男を招くのか。
ましてや自分は、緋色の長襦袢一枚のしどけない姿をしているのだ。
凪子は慌てて胸元を掻き合わせた。
「…失礼いたします」
低く、ややハスキーな声と共に、隣室の襖が静かに開かれたのだ。
…そこには、庭師の岩田禅が恭しく平伏に近い形で正座していた。
禅は、黒い縞の紬の着流し姿だ。
長い髪を無造作に後ろで結んだ姿は、まるで野性的な侍か用心棒のような…微かに危険な匂いすら孕んでいるような雰囲気を纏っていた。
「…禅。こちらに来い」
固唾を呑んで身動ぎも出来ない凪子を他所に、李人は穏やかと言ってもいいような口調で、禅に命じた。
「…はい」
禅は短く答えると、折目正しく二人の前にいざ寄った。
本能的な恐怖を感じ、後退りする凪子の白くか細い腕を李人は掴んだ。
…そうして、凪子を前に押しやると悠然と…あたかも挨拶を促すかの様に禅に告げたのだ。
「…奥様の襦袢を脱がせなさい」
凪子は訳がわからず動揺した。
なぜ夫婦の寝室に、庭師の男を招くのか。
ましてや自分は、緋色の長襦袢一枚のしどけない姿をしているのだ。
凪子は慌てて胸元を掻き合わせた。
「…失礼いたします」
低く、ややハスキーな声と共に、隣室の襖が静かに開かれたのだ。
…そこには、庭師の岩田禅が恭しく平伏に近い形で正座していた。
禅は、黒い縞の紬の着流し姿だ。
長い髪を無造作に後ろで結んだ姿は、まるで野性的な侍か用心棒のような…微かに危険な匂いすら孕んでいるような雰囲気を纏っていた。
「…禅。こちらに来い」
固唾を呑んで身動ぎも出来ない凪子を他所に、李人は穏やかと言ってもいいような口調で、禅に命じた。
「…はい」
禅は短く答えると、折目正しく二人の前にいざ寄った。
本能的な恐怖を感じ、後退りする凪子の白くか細い腕を李人は掴んだ。
…そうして、凪子を前に押しやると悠然と…あたかも挨拶を促すかの様に禅に告げたのだ。
「…奥様の襦袢を脱がせなさい」