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それが運命の恋ならば
第2章 初夜
凪子の瞳が眦が裂けそうに見開かれた。

「…いや…い…や…!見ては…いや…!」
起き上がろうとする凪子の肩を、李人がいとも容易く押さえつけ、冷淡に命令を下す。
「禅。早くしろ」

「はい。李人様」
禅が無骨な大男とは思えない滑らかな所作で立ち上がり、李人の背後に回った。

そうして、まるで忠義を尽くす若武者のように正座し、控えたのだ。

組み敷かれている凪子から、禅と眼差しが合う。
李人の身体で隠されているので、裸体こそ見えないが、このまま性交するさまをこの男に見つめられ続けるのだろうか…。

全身が燃え上がるように熱く滾るような羞恥と屈辱感を凪子は覚え、震えた。

「…いや…見られるなんて…いや…です…!」
貌を背け、枕に涙を落とす凪子の乱れた髪を梳きながら、李人は優しいと言っても良いような声を掛ける。

「…言ったでしょう?
私と禅は兄弟のような間柄なのです。
セックスすら隠し立てはしません。
…ましてや、大切な私の奥様との初夜となれば、見せない方が薄情だ」

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