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それが運命の恋ならば
第3章 愛と哀しみの夜明け
小一時間もして、凪子はふらふらと起き出した。
…部屋の隅には、立派な輪島塗りの膳に朝餉が用意されていた。
家政婦のトキがそっと置いていったのだろう。
全く気配は感じなかった。
その横には、一揃えの高価そうな牡丹柄の京小紋の着物と名古屋帯が用意されていた。
どれも新品だ。
私室に自分の着替えを取りに行く気力もない凪子は、とりあえずその着物に袖を通した。
そして、帯を貝の口に手早く結ぶと、そっと寝室を抜け出した。
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