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それが運命の恋ならば
第3章 愛と哀しみの夜明け
月見台の椅子に、禅と並んで腰掛ける。
温かな潮風が、凪子の心を穏やかに落ち着かせてゆく。

「…私、昨日は貴方に失礼な態度を取ってしまって…。
ごめんなさい…」
頭を下げると、禅がその黒々とした切長の瞳を見開き、猛然と首を振った。
「奥様…!
謝らないで下さい。
奥様は何も悪くはないのです」

…けれど…と、苦しげに続ける。
「…どうか李人様を、お嫌いにならないでください。
あの方は…どうしようもない運命に絡め取られ、苦しまれているのです」

「…運命…?」
「ええ。
お母様と高遠様の関係に苦しまれ、高遠様をどうしても許すことが出来ずに、落とし胤の凪子様を長年捜し続けてこられました。
…そして、貴女様ととうとう巡り逢われた…。
李人様はこう仰いました。
『禅。私は運命のひとを見つけたよ』…と」

…運命のひと…。
凪子は呟いた。
…憎むべき復讐相手に、なんと甘やかな言葉をつかうのだろうか…と…。

「…禅さんは…これからも、李人様の命令に従われるのですか…?」
…あの厭わしく狂おしい夜の営み…。
他人に秘めたる交わりや、自分自身のすべてを見せるという耐え難い辱め…。

ややあって、禅が口を開いた。
それは重々しいがきっぱりとした口調であった。

「…はい。
私の主人は李人様です。
李人様の命令にはすべて従います。
…それが私の運命なのです」



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