パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 愛と哀しみの夜明け

「…はあ…っ…ああ…」
檜の縁にぐったりと身体を預け、息を弾ませる。
ひんやりとした潮風が熱を帯びた身体を冷やしてゆく。
呼吸が整う間もなく、背後から李人にがっしりと抱き竦められ、執拗に口唇を貪られた。
舌を千切れんばかりに絡められ、吸われ、甘噛みされる。
…まるで捕食されるような恐怖に、凪子は身体を震わせた。

「…んん…っ…」
そのまま濡れた乳房を鷲掴みにされ、まだ硬い果実のような胸の尖りを強く摘まれた。

「…ああっ…！」
電気が走るような、びりびりと痺れるような感覚…。
凪子は甲高い悲鳴を上げた。

「…ここが、感じるんですね」
李人が薄く微笑った。

屈辱と羞恥から、口唇を噛み締め、李人の腕から逃れようともがいた。

…けれど、そんなものは何の抵抗にもならなかった。

「…今夜は貴女をここで犯しますよ」
甘い睦言を囁くように、男が残酷に宣言をする。
男の長い指が、凪子の淡い茂みの中を分け入ろうとする。

凪子は息を呑み、濡れた長い睫毛を震わせた。
「…い…や…やめて…くださ…い…」

…こんな…いつ使用人が来るか分からないような露天風呂で、犯されるなど、空恐ろしすぎる。
凪子はいやいやをしながら泣き崩れた。

「…大丈夫。
人払いをしていますから、誰も来ませんよ」
優しく子どもを宥めるように、李人は凪子の濡れた艶やかな黒髪を撫でる。

…そうして、いとも愉しげに付け加えた。

「…禅以外はね」