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秘匿の闇市〜Midnight〜
第4章 淫蕩の婦人会
「さぁ、私の大切なお友達の皆様、ゆっくりお楽しみになって下さい。まずは乾杯」
聞こえてくる話によれば、婦人会とは、贅沢を好む女達の親睦のための団体らしい。
特に入会条件はない。暗黙の規則はいくつかあって、佳子と懇ろであることや、他者のいかなる恋愛観念並びにセクシャルに批判的にならないこと、それから、こうした会合にしかるべき身なりで出席して、飲食にも遊戯にも精を出せる、肉体が女であるということなどだ。
あさひが聞き取れたのは、そこまでだ。取り皿を持った女達が、あさひにもトングを伸ばしてきたからだ。
「っ、……」
無数の目が、あさひを真上から物色している。彼女達が見ているのは魚介の造りのはずなのに、腰の奥が疼いてどうにかなりそうだ。
「稲川さんは、何を召し上がりますか?」
「そうねぇ、まずは大根……」
「ァッ……」
稲川のトングがあさひの首を掠めた。
豪華な造りの皿になったあさひの周りには、大根の千切り──…つまり大量のつまが敷き詰められている。稲川がトングを下ろしたのはちょうど首筋に盛られていたつまで、彼女はそれを大葉にくるんで掴み上げた。
首など序の口だったのだと気付いた時には、遅かった。
「あぁんっ……」
真新しい料理への遠慮から解放された女達が、次々とトングを向け出したのだ。
「あっ!……あっ……ァッ!あっ……ァンッ!あん!……ぁああっ…………はぁっ…──ヒッ…!ァッ……やっ、ァッ……ああっっ……」
トングの先が、あさひの身体中を刺戟で攻める。
水から打ち上げられた魚よろしく、少しくらい背中を仰け反らせても、薄く捌かれた刺身は落ちない。乳首の傾斜を飾った帆立も競うように剥がされていって、頂に残ったイクラも崩れ出す前に女達の指が伸びる。