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秘匿の闇市〜Midnight〜
第4章 淫蕩の婦人会
くに……
「ぁん!」
「まぁ、右側のイクラは御室さんがお召し上がりになるのね。せっかくだし、食べさせてもらったら?」
「でも……」
「遠慮はなさらないで、御室さん。……圭」
御室に腕を絡めつけていた圭に、佳子が妖艶に微笑んだ。すると圭は短く頷き、身を屈めてあさひの乳首に食らいついた。
「ふっ!!」
てろてろと舌がイクラを掬い上げていくすぐ下で、別の女が鯛の刺身を持っていく。陰部を飾っていたワカメは、いつの間にかなくなっていた。しかし割れ目により近い場所には赤貝がまだあって、そのデリケートな部分をトングがいじっている。刺身をつまみ上げるのとは別に、女達の中には、単にあさひが喘ぐ場所を見つけては、そこを執拗に撫でたり挟んだりしている動きもあった。
もっとも、料理は造りだけではない。他のワゴンの周りでも、圭が御室にしているのと同様に、家政婦達が咥えた料理を客の口に運んだり、上着を脱いでブラジャーから覗いた谷間に料理を載せて差し出したり、ソファに座った客の太ももに跨って、料理を与え合ったりしていた。
数人の客達がデザートに関心を示す頃になると、部屋一帯が、濡れた熱気に満ちていた。あれだけ強かったオードトワレを、今は酒の匂いが凌いでいる。
あさひが佳子に出逢った公園も、そうだった。
健全で善良な外の世界と、確かに同じ線上なのに、まるで別の空間だ。
一歩館の外へ出ると、きっと太ももを見せるのも躊躇うだろう淑女達が、猥褻な単語を口にして、セックスの逸話を披露して、家政婦と、或いは客同士で公然と羽目を外している。