この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘匿の闇市〜Midnight〜
第4章 淫蕩の婦人会
本人が黙り込んでいる間に、女達が競りを始めた。
最初に名乗りを上げたのは、西口という五十代の女と彼女の友人だ。二人で蘭子を可愛がるのを条件に、提示したのは二十万円。しかし蘭子ほど内気そうで清らかな女は珍しいという理由を挙げて、御手洗という二十代後半の女は、三十万円に引き上げた。
「あらあら、鰻登りじゃない。皆さん物好きねぇ。彩月さん?私は目移りも浮気もしないわ、今日はいつからお相手してもらえるの?」
「今すぐにでも、貴女と抜け駆けしたいです。……と言いたいところですが、あさひの世話がありますから」
「妬けちゃう。自由時間は、是非私を優先してね」
「ちょっと、吉野さん。私の方が先よ。貴女、さっき美影さんにも色目をお使いになってたじゃない。……彩月さん?私、今日は貴女に見ていただきたくて、とびきりいやらしい下着をつけてきてるの」
蘭子の値段は、最初の倍以上に高騰していた。
賭博にのめり込んだ人間も、こうして湯水のように金を溶かしていくのだろうかと、ふと思う。
確かに蘭子ほどの女は滅多にいない。いっそ彩月が彼女の処女を落札してしまいたくなるが、不思議なもので、女は値段が付いた途端、価値がなくなる。