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秘匿の闇市〜Midnight〜
第4章 淫蕩の婦人会

* * * * * * *

 シャワーを浴びて、ミックスベリーの香りのボディバターを全身に塗りたくられたあさひから、こびりついていた生臭さがようやく消えた。昼間に脱ぎっぱなしにしてきた下着とエプロンをつけて、あさひはたまきのリードに引かれて、部屋に戻った。


 贅を尽くした会場は、むせるような雌の匂いが横溢していた。

 自身の富をひけらかしてでもいる具合にめかしこんだ、それでいて嫌味のない、上品な花のような女達に、多くの家政婦達が腕や脚を絡めたり、唇を押しつけたり、その手を自身の熟れた部分に誘導したりしている。値段交渉している輪もあった。若い女が父親世代の男に時間やリップサービスを売る金儲けなら聞いたことがあるが、今日の客には二十代の女もいる。

 あさひの目は、無意識に彩月の姿を求めていた。
 どこを見てもきわどい光景の中で、彼女も数人の女達に囲まれていた。普段から予感はしていたにしても、格好良い印象が真っ先に来る彼女は、やはり女達に人気だ。あさひの通っていた学校でも、彩月に近いタイプの女は、男より女の好意を集めていた。しかも彼女は、圭達に比べて積極的とは言い難くなく、媚びたアピールなど全くしていないのに、そこにいるだけで女達に満足げな顔をさせている。


 とろ……とろり。


 履いたばかりの白いショーツが、もう濡れているのが分かる。

 腹が痛むのは、女としてあるまじき嫉妬などが原因ではない。

 彩月はあさひの飼育係でも、他の女に触れてはいけない規則はない。もとより彼女が誰にでもキスしていることくらい、知っていた。
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