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秘匿の闇市〜Midnight〜
第4章 淫蕩の婦人会
「自惚れるのはご自由ですが、貴女のお姉様が原因で、あたしが貴女に甘えたくなることはありませんから」
「分かってるわ。私が貴女を誘いたくなっただけ。だから貴女を所望するお客さん達、四人目以降は断ってきたわ」
悪びれもしない佳子に伴って、彩月が彼女の寝室に至ると、美影がソファに待機していた。
彩月より一年早くこの館に入った彼女も、玲沙のような種類の客に定評がある。つい先日も、あの被虐体質の女の指名を受けた彼女に、どうだったかと話を振られた。
「聞いていた通りの淫乱だった。可愛かったな」
「彩月から見ても可愛いんだ?歳下好きそうなのに」
「まさか。いやらしいお姉さんの方がずっと好きだよ。例えば、……」
ソファに片膝を乗せて、彩月は美影に腕を回した。今にも鼻先が触れそうな至近で彼女を上目に見澄まして、鼻先ではなく唇で触れる。
「こんな時間に美影に会ったら、滅茶苦茶に犯されたくなる」
「さっきまで犯してたくせに」
「だから……余計に……」
いやらしい子。
そう言いながら、美影の唇が彩月のそれをやんわり塞いだ。
まるで挨拶めいたキスは、角度を変えてまた重なって、触れ合わないではいられない、睦まやかな小鳥達の啄みにも似たものになる。
佳子は寝台に腰を下ろして、毎晩の肌の手入れを始めた。
好きに楽しんで頂戴、と彼女の言葉が出るより先に、彩月は美影の舌に応じる。