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秘匿の闇市〜Midnight〜
第2章 肉欲の競り市場
「それでは、五番までの購入者様が決定致しました。今一度確認させていただきます。落札されたお客様は、お名前やご住所、引き落とし用の口座番号をご記入になった用紙と、身分証明書のコピーを本部にお届けになった上で、商品をお引き取り下さい。用紙には必ず実印をお願いします」
ステージに並んだ人間は、午前一時前の時点で三十人に減っていた。さっき受付が行われていたテントでは、腕にタグを填められた女達が、落札者達に引き渡されている。
「続いて、六番の商品をご紹介致します。六番、ステージ中央へ」
司会のアナウンスが入ると、また一人、女が重たげな足を引きずるようにして進み出た。
二十代前半くらいだろうか。小顔で彫りの深い顔の女は、エキゾチックな美人といった感じで、濡れた艶を帯びた黒髪は腰まであって、優雅な曲線を描いている。白い豹柄のタイトなワンピースは彼女の身体の凹凸をくっきりと強調しており、少し屈めば下着が覗くだろうほどのスカートは深いスリットが入っていて、すらりとした太ももが大胆に露出している。
さっきの五人の女達は、皆、風俗店の経営者らに買われていった。年齢からして、六人目の女もその類の人間が落札するのかも知れない──…などとあさひがぼんやり考えていると、さっそく客席から手が挙がった。
「お客様、どうぞ」
「どうも。六番の出品者様に質問です。この女、生殖器に問題はありませんか」
司会の女がマイクを向けると、今度は出品者らしき女が口を開いた。