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秘匿の闇市〜Midnight〜
第2章 肉欲の競り市場

「ええ。娘は処女ですが、月経に乱れもありませんし、健康状態も良好です」

「そうですか。実は、海外に労働者の養殖場を作る予定でして。繁殖用の人間を集めているのですよ。ああ、断っておきますと、使える年齢まで育てても売れ残った人間は、繁殖用に使い回します。そうですねぇ、六番ほどの器量なら、男の方も精子をうんと出せそうです。一千万で、いかがでしょうか」

「一千万……!思ってもみませんでした、娘にそんな値打ちがあったなんて……有り難うございます」


「ぉ、お母さん……そんなお金……海外なんて、私……」


 商談がまとまりかけたところで、商品本人が泣き出した。
 出品者は母親らしく、質素な身なりをしているところからして、経済的な事情でもあるのだろう。落札者を選び直してくれと懇願する娘に対し、彼女を諌める。

 商品に落札者は選べない。出品者が承諾した以上、あっと言う間に女はステージを引きずり下ろされて、あまりに抵抗したものだから、ショーツ一枚の姿にされて、猿轡を噛ませられた。


 続いて七番の女が呼ばれた。

 テントで男に殴られていた、冬華だ。相変わらず青白い顔をした彼女は、それでも客席からのぼせるような感嘆を集めている。布の面積の極めて低いビキニは裸体も同然で、気の弱そうな顔かたちが却って愛らしく、カメラのシャッター音まで聞こえる。
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