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秘匿の闇市〜Midnight〜
第2章 肉欲の競り市場
「まぁ、はしたない」
「奥手に見える顔をして、随分とあばずれな水着じゃないか」
「姉ちゃん、立派なおっぱいだねー!ぼろん、してくれや!」
酩酊したざわつきの中、一人の男が挙手した。
耳まで赤くして野次を飛ばしている連中とは違い、見る限り、男は素面だ。
「おぼこいお嬢さんじゃ。接吻を味見させてくれたら、購入を考えてやろう」
進行係が、出品者に確認した。先刻あさひがテントで見た男が許可を出すと、見るからに羽振りの良さそうな男がステージに呼ばれた。
男の頭には、白いものが混じり出していた。それなりに歳を重ねているのかも知れない。
「六番。気に入ったら、お前をわしのラブドールにしてやろう」
それから男は、客達の前で冬華の顎をぐいと掴んで、自身の唇を押しつけた。ぢゅうぢゅうと音を鳴らしながら唇を吸って、しゃぶって、口内に舌をこじ入れる。褐色の斑点の散らばる手が、冬華の背中を撫で回し、腰をなぞって、ティーバックから溢れ出た臀部の肉を揉む。
「んっ……ん……」
じゅぱぁ、と、よだれを垂らして、男が深いキスをやめた。
冬華の顔色に青みが増すのとは対照的に、男の方は目尻に皺さえ刻んでいる。