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秘匿の闇市〜Midnight〜
第5章 禁じられた二人
「っ……?!」
小松原さん、と呼びかけながら、薄目に彼女を見つめると、まるで昨夜のあさひを思い起こす顔があった。
「会いたかった……会いたかったです、小松原さん……」
角度を変えてキスを重ねて、顎から頬へ、喉へと指を滑らす。
「んっ……」
「あさひは破瓜させました、貴女のご所望でしたので」
「ぁっ、はぁ、……」
顔を離すと、とろんとした目をした主人が、満足げに微笑んだ。
佳子は、話して信じるだろうか。
あさひの祖母が、立花陽音の母親だったということを。…………
「二度目は、ないと思って下さい」
「え?」
「帰省の同伴」
刹那、佳子に安堵の色が見えた。
「ああ、そっちね。……いえ、何かあったか聞くべきね」
相変わらず世話を焼くのが好きなあるじだ。
佳子が何を知ったところで、あさひがあの陽音の娘という事実は、覆せない。
もし彩月の育ての母が、あさひを見限らなかったとする。彼女はここにいなかっただろうか。さりとてあの母親の元にいて、あさひがぬくぬくと暮らしたとは想像し難い。