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秘匿の闇市〜Midnight〜
第5章 禁じられた二人
女のクレバスから這い出すのと同じものが、彩月自身からも這い出しているのが分かった。
彩月が女を抱いたのは、それが初めてだった。
以来、大家は家賃を相殺するだの光熱費を肩代わりするだの理由をつけては、彩月を呼び出した。
彼女の自宅で夜を明かすこともしょっちゅうあった。同じような女達が彼女を訪ねてきた時は、彩月が火遊びの相手をした。
ある時、破瓜の血が見たいという女がいた。彼女の握る獰猛なディルドが、彩月の潤みをこじ開けた。
陽音がいた頃、純潔であったために、幾度となくやりきれない思いをした。裂けた肉襞の脈打つような痛みの余韻が、清々しいまでの解放感を彩月に与えた。
大家との利害一致の関係は、高校を出るまで続いた。学費の出どころも彼女だった。
今は違う。愛に焦がれて、誰の支配も受けていない。
佳子の客達にも、彩月は金を受け取らず、対等な関係を徹底して、あさひ達のような功利的な女を軽蔑している。
皮脂とマスカットの混じったような香りに抱かれて、健康的なムラを散りばめた佳子の肉叢を啄みながら、彩月は彼女の女の証を貫いた。
昨夜のあさひが青い果実なら、佳子の潤みは食べ頃の柘榴だ。
熟れた肉壁は彩月の指に絡みつくように柔軟で、あさひと違って異物を受け入れ慣れている。じゅくじゅくにふやけた内部をこすって、ひときわざらついた部分を撫でると、淫らに腰を撓らせる主人の喉が、いっそう切なげに声を高めた。