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秘匿の闇市〜Midnight〜
第6章 欠陥していく彼女


 常々、良人は佳子に装身具や花を持ち帰っていた。食卓でも若妻を退屈させないだけの話題を欠かさず、彼の方が先に浴室を使ったこともない。

 傍目からすれば一点の曇りもなかったろう彼の愛情は、それでいて、まだものの分別もつかない子供が新しい玩具に注ぐ情熱と大差なかった。


 昼間の茶会や食事会、習い事──…昼間の娯楽で凝り固まった心身を風呂でほぐして、家政婦にドライヤーを任せる間は、美容液を浴びるようにして肌の手入れに没頭する。そうしている内に良人が寝室に戻ってくると、世話係の女を下がらせて、夫婦水入らずの夜が始まる。

 良人は、肉が盛り上がるまで締め上げる緊縛を好んでいた。佳子の白肌を蝋燭で彩るのはもちろん、ライターの火を近づけた時に見られる、佳子の恐怖に引き攣る顔も気に入っていた。そのために佳子の乳首を直火で炙ったり、早い時期に彼は奥方に恐怖を植えつけた。良人の遊びに、佳子も彼を満足させるだけの反応をした。

 親族達の邪推に反して、夫婦仲は円満だった。

 年に二、三日の出張日を除けば、良人は佳子に、毎日のように射精していた。


 …──お前は本当に可愛い。綺麗だ。しかし醜い。俺が愛した証だよ。この醜い肉体は、俺だけが見て愛でるものだから構わないね?


 べろべろと乳首やへそをしゃぶりながら、良人は佳子の頬や腹や尻を打った。赤く勃起した乳首と陰核を同時につねって、切り落としてホルマリン漬けにしたいと笑う男の顔に、佳子はいっそう震え上がった。
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