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秘匿の闇市〜Midnight〜
第6章 欠陥していく彼女
…──冗談だ。そんなことはしないよ。新しいのが生えてこなかったら、こんなことも出来なくなるじゃないか。
そう言って良人は白濁をまといつかせたペニスを佳子から抜いて、乳房に挟んだ。欲望を吐き出したばかりの肉棒が、たわわな丘陵の先端や斜面にしごかれて、再び精気を帯びていく。
良人が針を持ち出したこともあった。無数のそれらの先端が、一本ずつ炙られて、佳子の乳房や割れ目に沈む。鈍い痛みは数を増すと目を剥くほどの激痛になり、手脚の自由を奪われていなければ、のたうち回っていただろう。良人は残忍な目を見開いて、佳子の陰核に刺さった針をくにくに回した。
結婚して十年ほどは、常に佳子はどこかに真新しい血を滲ませていた。比較的怪我の少ない時も、痛みの記憶が常に佳子を苛んだ。
効果的な手当てを研究したり、皮膚が鍛えられたりして、白いブラウスでも気にならないまでになったのは、三十歳を超えた頃だ。
良人はそれが気に食わなかった。彼はがさがさになった佳子の背中をやすりでこすり、撫でなくてもサイズ感を増した乳首の載った膨らみに、油性マジックで淫乱と書いた。しかし真新しい女体は求めなかった。ふと我に返っては、お前しかいないと繰り返す。
こうして彼が病床に臥せるまでの二十数年、佳子は人間としての尊厳も、権利も根こそぎ剥奪された。