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秘匿の闇市〜Midnight〜
第1章 愛玩少女の製造法


「ぁん、はぁっ、おばぁ……ちゃ……あぁぅっ」

「そうそう良い子ね。女の感度は、良いに越したことはないからねぇ。気持ち良いでしょう?それを幸せと呼ばずに何と言うの」

「ハァッ……あっァァ……っ……」


 ぞくぞくとした恍惚がほとばしり、あさひの脚が軸を失くす。いかがわしい期待の昂る、自分自身の身体に慄く。


 この感覚は罪悪ではない。

 幼い頃から、あさひは育江にそう教えられてきた一方で、家族の前や学校では、他言しないよう固く戒められてきた。

 公園を出入りするあらゆる種類の男達、女達が、あさひと育江を盗み見ながら脇を通り過ぎていく。彼らの目に好奇や好意の感情こそ垣間見えても、非難はない。そのことからして、やはり祖母は正しいのだと、あさひは確信を持つ。



「おばぁちゃ、んっ……ァァッ……倒れちゃう……立っていられなくぅ……あぁんっ!……」


 みぞおちの奥がきゅぅ……と切なく顫えた時、あさひは愛撫を解放された。

 育江に付いて、客達の流れに混じって、園内に立ち入る。



 動物園だ。…………


 それが、あさひから見た園内の第一印象だ。いつかテレビで見かけた花見シーズンの宴会場も、重なった。

 あちこちに広げてあるブルーシートは、どれも店だ。中には、出店者自身に値札の貼られた店もある。
 掃除屋さん、喧嘩相手請け負います、介護士の資格があります、一時間◯◯円であなたを褒めちぎります、デートのお相手いかがですか──。
 彼ら或いは彼女らの場合、出品しているのは労働力だ。もちろん従来のフリーマーケットらしい店もあって、そうしたブルーシートには、ハンドメイド雑貨やいかがわしい絵、何かの映像作品らしいディスクを始め、精力剤やラブドラッグと称した薬が並んでいる。
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