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秘匿の闇市〜Midnight〜
第6章 欠陥していく彼女


 オフショルダーのピンク色のセーターから乳房を覗かせて、今に気を遣りそうな目を細めてまづるのキスを受けながら、姫猫が男達の説明を始めた。

 彼らは先週、姫猫が今日の遊びを思いついた時、日雇いの相場の十倍ほどの金を渡して、屋敷に呼び集めたホームレスだ。小綺麗な身なりをしているのは、メイド達に世話させたからだという。

 さすがの貴女も、フケだらけの男相手に濡れないでしょう。

 実兄の遊とも片手間にキスを交わす姫猫の妖艶な笑みに、あさひは僅かに落胆した。その一瞬に目を留めたのか、姫猫が今度は高らかに声を上げた。


「ペットが私に抱いてもらえるとでも思ったの?家畜なら同じ畜生同士、動物みたいに交尾するべきよ。それに私はお兄様とは結婚しても、子供は産まない。まづるを妬かせるわけにはいかないし……」


 そうしている間にも、メイド達があさひのブラウスやスカートを脱がせて、みるみる生まれたままの姿に近づけていく。
 倫理より本能を重んじる若い大家族の前で、あさひはまもなく一糸まとわぬ姿になる。そう思うと、あの美しい女の指に貫かれることはなくても、あの目に視姦される悦びに顫えた。


「本当に、少しも嫌がったりしないのね。無駄に自我や分別のある女なら、生意気な口の一つも利くものよ。…──お前達」


 姫猫の凛然とした口調が、肌色の獣の群れに呼びかけた。
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