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秘匿の闇市〜Midnight〜
第6章 欠陥していく彼女
* * * * * * *
姫猫の屋敷で非日常を体験して、一ヶ月半が経った。
五月連休も過ぎて、圭やたまきら学生アルバイト達のシフトも通常通りに戻って、佳子の館はまた静かになった。
その間、あさひは性器の痒みや腫れ、膿に苦しむ日々を送った。喉の炎症で声がしゃがれたこともあり、膣の内部も治療した。路上暮らしの男達を巣食っていた数種類の疾患が、彼らと性交した際、あさひに伝染ったと考えられた。
夜中、経験したことのない痛みに目が覚めては薬を塗る。薬を塗っても、脚と脚の間の不快感で眠れないばかりか、昼間は乳房や手での接客があり、その間は何事もない顔をしていることを強いられる。事情を察している客達の数人は、あさひの耐える姿に法悦した。そうして尻軽女と罵りながら、何十にも亘って鞭を振り下ろした。
そしてようやく落ち着こうとしていた矢先、あさひは身体に違和感を覚えた。初めは気のせいだとやり過ごしていた違和感は、日に日に強まり、ついに不安に急き立てられて、医者の再診を所望した。
「おめでとうございます。妊娠一ヶ月目です」
ドラマならとりわけ親しみ深かった医師の台詞に青ざめたのは、あさひより佳子が先だった。