この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘匿の闇市〜Midnight〜
第2章 肉欲の競り市場
「なかなかの戦略じゃ……。初めにぬるい値段を出して、身内に落札させるとは」
「では、上原さん。お客様と一緒に、受付の方へお進み下さい。続いて二十二番──」
羨望と不平を集めながら、目当ての商品を連れて女がステージを降りていくと、再び沈痛に俯く商品が中央に出た。
ステージ上では、のべつ未知の世界があさひを誘った。
あさひは処女だ。肛門を洗浄されて、そこに異物を咥え込んだことはあっても、いつももどかしく疼く女の壺は、指も知らない。もっぱら身体のあちこちを刺戟されて、現役時代の育江が実践していたという男好みの立ち振る舞いを稽古して、彼女を愛撫し、その蜜壺に指や舌を差し入れるなどをしていただけだ。
性器に異物を迎えた女は、どれだけ深刻な顔をしていても、恍惚の嵐に飲まれる。
それは今、黒スーツに金髪という厳めしい男のペニスに悲鳴を上げた、二十四番も例外ではない。
「アァンッ……っ、……ふっ……、アッ!ああっ!……」
「締めつけは良い……腰も締まりがあって、ふくよかな尻は男が癒されるに違いない……ククッ……──こいつは、しごけば金の卵になるかも知れん……」
ズブズブ……ぐちゅっ……ずぶぶ──……
黒スーツの男には若い男の連れがいて、彼らは難しい顔で二人の行為を凝視している。大人が仕事の話をする時のような手振りをしているところからして、風俗経営者といったところか。