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秘匿の闇市〜Midnight〜
第6章 欠陥していく彼女
「いつそんなに親しくなったの」
「さぁ。春のお詫びがしたいんだって。念のためまた付き添い頼まれてる」
その付き添いも、あてにならない。
あの日、首輪の盗聴器から現場を監視していた佳子が、音声だけで嘔吐した。その内容は、薬を服用しているあさひが孕んだのも仕方なかった、と、美影も話していたほどのものだ。
「電話で確認はしたよ、でも命に危険が及ばなければ、警察沙汰はまずいって」
「だからって、あまり傷付けられると、小松原さんのお仕事に差し支える。使い物にならなくなったらどうするの、あたし行こうか?」
「あ、それであさひちゃんのこと労ってたんだ」
「他に理由なんかないよ」
性器の酷使で性交が出来なくなった話は聞かない。
それでも、機能はしているあさひの潤みは、このところ疾患を疑うくらい荒れていないことがない。加えて生活も不規則で、彼女の精神力を保持している育江の思想が剥がれた時どう転ぶかも、分からない。