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秘匿の闇市〜Midnight〜
第6章 欠陥していく彼女
「五月蝿いわ、あさひ。食事中よ。泣かないでくれる?泣きたいのは、私達なのだから」
「そうだぞ、あばずれ。お前、肉片になったガキは生ゴミに出したくせに、自分の痛みは泣くのかよ」
「売女で人殺しなんて、よく生きていられるわ。まぁ、底辺で脳なしの貴女でも、身体は立派なのだから、せめて私達のような人間を楽しませることね」
「ぅっ……ぐす…………」
視界が歪んでいた。
涙が止まらない。泣いたのは、昨年の婦人会以来だ。あの時は佳子達が賭けをして、底なしの快楽の恐怖に落ちた。
今は違う。
佳子達の意図があったと言っても、あの時、あさひを蹂躙していたのは彩月だ。彼女はこんな苦痛を与えない。こんな、快楽に見放された孤独にあさひを追い遣らない。
あさひが泣き喚くほど、遊は快楽を得るようだ。彼の、一度は萎えた一物は、再び生気を取り戻していた。妹が食事しているすぐ前で、あさひの割れ目からチーズをよけて、滾った肉棒をそこにあてがう。
「その顔だ……商売女は、そうでなくっちゃなあ!いいぞ、その顔だ!もっとみじめに泣け!鳴け!孕んでオレに罪を償え!」
ズブゥゥゥ…………
生ぬるいものが注がれてくるのを意識の片隅に認識しながら、激痛に等しい熱さで気を失った。気を失ったのも、束の間だった。フォークがあさひの鼻の穴を突き刺すと、その驚きで目が覚めた。
鉄錆臭いものが鼻下の人中に伝ったあさひに、姫猫が汚いものでも見た具合に顔を歪めた。