この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘匿の闇市〜Midnight〜
第7章 救済と矛盾


 そう言えば、仏野姫猫も、周囲の心象を酷く気にしていたと聞く。
 彼女の抱えた闇は深い。その闇が、彼女の理性を破壊したのではないか。それが盗聴器を通して受けた印象だと、以前、美影が話していた。


「あさひは、小松原さんのペットです。どうせ行き場もありません。その本の主人と小松原さんは、別人じゃないですか。理解出来なくて、当然です」


 あさひを大切にしろ、労われ。

 彩月が佳子を責められないのは、彼女の求めている人間が、単に見下せる相手と限らないからだ。共感者も欲しいのだろう。憤怒のやり場も欲しいのだろう。



「私が好き?彩月にとって、私は一番?」


 彩月は佳子の両手を取って、それを包む。頬に触れる。ガラス細工を愛でる手つきで、彼女の顔の輪郭をなぞる。


「寂しがり屋ですね、今日の小松原さん」

「だって……」


 裏切ったら許さないだの、一番愛して欲しいだの繰り返しながら、佳子は自身を面倒だと貶める。


「彩月、眠たい?」

「眠たくなったら、冷えないように布団かけて下さい」

「私からも、同じことを頼んでおくわ」


 どちらからともなく口づける。

 触れては離れて、離れては触れてを繰り返すキスに水音が混じり、歯列や舌を探り合うまぐわいに変わる。

 もし佳子ら姉妹が小松原家の生まれでなければ、彩月は彼女と、ありふれた親族の間柄を超えなかっただろう。歳上の優しい婦人くらいの認識に過ぎなかったと思う。
/372ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ