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秘匿の闇市〜Midnight〜
第7章 救済と矛盾
「縄は嫌い。だから目隠しも手枷も、私の装身具。マゾッ気なくても、スカーフなら痛みも少ないし」
「痺れる前に、解いて、下さいね。あと恥ずかしいから早く……」
「まぁ!早く犯して欲しがるなんて、変態。ふふっ、壊れた人間同士が自由になると、危険だわ……」
……ちゅ。
臀部の膨らみのすぐ真下、太ももの裏側に佳子の唇が吸いついた。後方から腕を回した彼女の指が、腹や恥丘を彷徨う。
「ァッ……ああっ……」
潤みをまさぐる佳子の指に、今にも身体の均衡を崩されそうになりながら、彩月は叫び声を上げる。もがくほどスカーフが手首に食い込む。
佳子の指は、彩月を知り尽くしていた。彩月とかつての男を除いて、他の人間を知らない分、緻密に泉門を探り当てる。上下に動く彼女の愛撫が、指を増やしてより熱心な刺戟になる。
…──もしあさひちゃんに本気になったら、お姉ちゃん……立花陽音のこと、先にちゃんと話してあげて。
あの花火大会の夜、志乃が彩月に頼んできた。
善良で常識的なあさひの叔母は、何を期待していたのだろう。
愛する女の匂いに満ちていた寝室は、ただ生臭さいだけになっていた。