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秘匿の闇市〜Midnight〜
第7章 救済と矛盾







 あまりシフトの被らない亜子と出かけてみたいと所望した圭が、あさひとくじを交換したいと言い出した。毎年恒例の、初詣に行くペアを決めるためのくじ引きを、今年も引いていたのである。

 彼女が所持していたのは彩月と同じ番号だった。

 かくてあさひは、昨年は美影と訪ねた神社に、彩月と向かった。


 参拝を終えると、あさひ達は参道を挟む屋台に足を止めながら、下り坂を降り始めた。

 飴細工の店で、あさひはテディベア、彩月はイルカの形の棒付きキャンディを買った。佳子からゆっくりしてきて構わないという連絡を受けて、参道を一筋逸れた広場に入ると、並んでベンチに腰かけた。

 広場は、新年衣装でめかし込んだ、若い参拝客らで賑わっていた。たこ焼きを食べさせ合う男女や、天然石のピアスを交換している女達の二人連れもいる。


「佳子様のところの家政婦さんって、恋愛……みたいなお話、あまりお聞きしませんね。亜子さんがご結婚されているくらいで」

「恋愛に興味があったら、こんな仕事出来ないからな」

「そっか、確かに」

「あさひこそ、ああいうの見ても憧れない?」

「あー……えっと、私は……」


 テディベアのキャンディは、練乳を混ぜたミルクティーの味がした。

 口いっぱいに広がる甘さに目を細めて、あさひが彩月の視線の先を見ると、青とピンク色の晴れ着姿の女二人が、一つの林檎飴を舐めていた。棒を支える二人の指が、睦まやかにじゃれ合っている。飴が厚みをなくして果実が覗くと、彼女らが恥ずかしげに目配せした。
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