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秘匿の闇市〜Midnight〜
第7章 救済と矛盾
鈴山に続いて四組の女達を接客した夜、あらかた寝支度を済ませたあさひに、美影が佳子からの言付けを預かってきた。
地下の部屋に降りると、伝言通り、佳子があさひを待っていた。
「あさひ。復帰してからの貴女の働きぶりは、皆さんから好評よ。最近は元気がなかったのに、聞き分けの良いペットに戻ったようだと」
「有り難うございます」
「手荒なことをしたのは、分かってる。これでも私は性病の辛さを知っているし、だからこそ、貴女の苦しみを少しでもやわらげるために、気持ち良くなるよう手を貸したのよ」
佳子は、あさひに施した媚薬の弁明をしているらしい。
だが彼女の言う苦しみと、あさひの体験したそれには、齟齬がある。
性交を戒められていた期間、あさひが虚ろになったのは、彩月と触れ合えなかったからだ。生き地獄だった。生きながらに死んだまま、ただ女達に酷使されるだけだった日々。そして今後もそうしたことがあると思うと、気が遠くなる。
「ところで、今後も私が貴女にあれを飲ませたがっているのは、何故だか分かる?」
「いいえ……」