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秘匿の闇市〜Midnight〜
第7章 救済と矛盾


「彩月、ノックしろとは言わないけれど、あさひがせっかく良い気持ちになっているのに」

「こんなことしていたなんて、普通は考えません。あさひが変態に落札されそうになった時、小松原さんは、少しでも同情されたから、あんな無駄遣いしてまで連れて帰られたんだと思っていました。これじゃ、拷問です」

「その通りだけど……。助けた覚えはないもの。良いわ、ちょうど良かった。あさひは、快楽で従わせるのが一番なの。大分、良い子になってきたわよ。ねぇ、あさひ?」


 佳子の優艶な流し目が、あさひの全身を舐め回す。

 自慰は彼女の許しを得なければ、始められない。手を投げ出しているだけで、限界だ。


「はぃっ、佳子様……アッアッ……──お願いします、命令っ……あああっん!はぁっ、はぁっ、命令して下さい……オナニーしたァァい…………っ」

「あさひっ!寝ぼけたこと言うなって」

「ハァッ、アァン…………ァッああアッん!」


 彩月の切迫した顔があさひの視界を満たしても、肉欲ばかりが先走る。


 いっそのこと彼女に犯されるのも良い。

 淡い期待があさひの頭を掠めた時、佳子が彩月に呼びかけた。

 
「このペットは自我を失くしかけている。いっそ心を壊した方が、あさひのためになるのよ。最近は泣き言も言わなくなったでしょう?」

「小松原さんもあさひもいなくて、美影から聞き出してきて良かったです。こんなことはやめるべきです」

「それは、私のために言ってるの?あさひのため?」
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