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秘匿の闇市〜Midnight〜
第7章 救済と矛盾



 佳子があさひの首輪を外した。すっかり馴染んでいたそれを、彼女が近くの台に放って、別の首輪をあさひに巻いた。

 真新しい首輪が施錠されると、あさひは急な息苦しさに咽せかけた。


「よし、こ……さま……?ハァッ……ぁ」

「気に入った?喉の内側に突起があって、声を出すと首が締めつけられるでしょう。マゾヒストにはご褒美よ」

「ァッ……気持ちっ……イイッん!……ふっ!」


 佳子が彩月に枷を渡して、あさひを拘束するよう命じた。

 あさひの美しい世話係は、彼女の主人に従った。そして、逆らえないのではなく逆らわない彼女が次に握らされたのは、複数本の革ベルト。大小のサイズが揃ったそれらは導線をぶら下げていて、佳子が先端の接続端子を、パネルのような電子機器に差し込んでいく。


「この玩具は、なかなか日の目を見ないのよ。電気ショックが強すぎて、こんなものを使いたがるお客様は相手にしたくないと、圭ちゃんまで嫌がって……」


 彩月が何か言いかけたのを遮って、佳子が彼女に、ベルトをあさひに施すよう指示した。


 あさひの二の腕や乳房の真下、ウエスト、太ももが、導線を付けたベルトに封じられていく。

 佳子がパネルを操作すると、あさひは腕に落雷を受けた。実際は、電気が走っただけだろう。しかし言葉を失うほどの痛みを訴えるだけの暇もなく、次の落雷が太ももを襲う。
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