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秘匿の闇市〜Midnight〜
第7章 救済と矛盾
* * * * * * *
夜が更けるほど、気だるい雰囲気が佳子にまとわりつくようになった。とろんとした目で何度目かの欠伸をした彼女は、あさひを適当に寝かしつけておくよう言い残し、上階へ戻った。
彩月があさひの拘束を解くと、彼女は胸を上下させたまま、猥褻な体臭を放っていた。首輪の鍵は、佳子が持ち去っていった。硬い合皮に鋏を入れてようやく外すと、クローゼットを物色して、なるべく肌の隠れる衣装を選んで彼女に着せた。
いかがわしい言葉を呟きながら、おりふしあさひは乳房や股間に手を伸ばしかけると、とっくにいなくなった佳子に謝罪しながら腕を下ろす。
早く眠れと促して、彩月はあさひの半開きの唇に、自分のそれを重ねた。初めて彼女の唇を塞いだ時のように、角度を変えて、初々しいだけのキスをする。
「ハァッ……」
舌の覗いた彼女の歯列を指に押さえて、唇を撫でる。
「あさひ。良い子だろ」
「うっ……ぐす」
充血した目に、潤沢の膜が張っていく。彩月の拒絶が堪えたのか、単に疲労が溜まっていたからかは、分からない。
ただ、そのあとはすっと夢に落ちていくようにして、あさひは眠った。