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秘匿の闇市〜Midnight〜
第2章 肉欲の競り市場
競って言い値を叫んだ客らの最後の一人が、ステージに上がることを許可された。
スポーツインストラクター風の男たが、それだけの金を道楽に使えるくらいだ。実際の生業は別だろう。とは言え筋肉の隆起した肉体は伊達ではないらしく、男は、あさひに彼のトレーニングに付き合えるだけの体力があれば、落札を決めると宣言した。
あさひは男の指示通り、エプロンを外し、ブラジャーのホックを外し、肩から両紐を下ろしていった。
「すごい……!」
客席から称賛の声が上がった。
当然だ。あさひの身体は、幼少期から磨き上げてきたものだ。無駄な肉付きは一切なく、それでいて、すみずみまで少女らしい曲線が描いている。下着を外せば、まるで甘いミルクの詰まった色味の乳房がたぷんとこぼれて、締まった腰は、羞恥に慄える尻の膨らみを引き立てる。
あさひは乳房を腕で隠して、片手でスカートを下ろすと、脚と脚の間をその手で庇い、俯いた。
「姉ちゃん、手ブラを許可した覚えはないぞ。それにパンツも早く脱げ」
「すみません……」
「恥ずかしいのか?」
「すみま、せん……」
…──羞恥に怯える自分は今、父親ほどの年端の男に、裸体を強要されている。
この状況に、あさひはみぞおちの奥を疼かせていた。出るはずのない涙も、媚薬だと思えば自然に滲む。
「くそっ、ちょっと顔が良い女は、もったいぶりやがって……。出品者様は、どちらですか」
前列にいた育江が席を立ち、口を開いた。