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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法
永遠に落ちていたいほど心地好く深い眠りから覚めたあさひは、喉から悲鳴が出そうになった。
嗅ぎ慣れないシーツの匂いに、頭を深く沈める枕、太陽を完全に遮断した重厚なカーテンに、見たことのない白い壁。…………
それまでの経験を照らし合わせると、この場合、部屋のどこかに加虐者がいて、あさひをいかに鳴せようかと思案している。
ただし、意識が明確になるにつれて思い出すのは、少なくともあの仏野家の招待は受けていないということだ。
あさひは佳子と地下にいた。彼女の手間暇が、一度は潰えたあさひの性の悦びを、再び開花させていた。途中で眠ったのかも知れない。眠りの中で、あさひは抑えてきた願望を濃縮したような、あまりにも甘い夢を見ていた。
「あさひちゃん、起きた?」
突然、女の声が呼びかけてきた。
加虐者らしからぬ明朗な声は、あさひがほぼ毎日耳にしていたものだ。
「美影さん……?」
「どこかおかしいとこない?」
「え……」
「元気なら、お父さんか叔母さんのとこに帰ろっか。念のため病院は行っておこう。話は彩月に聞いたよ、傷も心配だし」
あさひは、そこではっとした。
記憶が途切れるまでに起きたことは、夢ではなかった。あらゆる刺戟に悦び狂って、あさひは佳子が彩月に与えさせた蹂躙にも、感情が絡みつくより先に喘ぎ乱れた。最後は、あまりに優しいキスと囁きが、あさひを深い眠りに落とした。