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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法



 佳子に雇い主以上の友情を持ちながら、それでも彩月を案じる美影の危惧は、理に適っている。

 しかし全ての行動基準を正論に制限しては、あまりに不自由だ。
 彩月は佳子と関わっていられさえすれば、形になどこだわらない。佳子に向けられる感情が、愛情であれ功利であれ、憎しみであれ、彼女の心を動かせているのに違いはない。

 あさひは、自業自得だった。だのに見限れなかったのは、彼女の愚昧が、感情を持ち出せば説明出来たからだ。

 ただし、それは強制された感情だった。

 世間の道理から目を覆われてきた彼女がなけなしの自我を毟られていく姿に食傷して、檻から放った。彩月がその罪過を白状すると、食後の紅茶を優雅に喉に流し込んでいた佳子の動きが止まった。
 昨夜の陰鬱とした形相が嘘ででもあったように、今朝、主人は朗らかだった。今しがたまで無駄話もしていた彼女の顔が、みるみる血色を失くす。


「あさひが、いなくなった……?」

「今、お話しした通りです。小松原さんのお気に入りのペットだったのに、申し訳ありません」

「──……」


 佳子の顔色は読めない。夢中になっていた玩具を失くした子供の顔でも、溺愛していた家族を手放した女のそれでもない。
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