この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法


「あさひの見落としてた。届けてくれない?」

「うわ、まだあったんだ、懐かしい。でもあさひちゃん、これくらい忘れてそう。気になるなら届けてあげれば良いと思うけど」

「気になるから頼んでる」

「自分で行きなよ」

「っ……」

「彩月!」


 視界にモザイクがかかった途端、美影の腕に抱きかかえられるようにして、彩月は彼女にしがみついていた。


「悪い、寝不足」

「いい加減にしな」


 佳子の寵愛を実感するための痛み。彼女の孤独を慰めるための痛み。

 それらを貪ってきただけで、咎められることはしていない。


「彩月はあさひちゃんを選ぶと思ってた。結果、違ったけど、そこまでは文句言わないよ。小松原さんとは他人だったようなものだし、血縁って言ったって、遠めだし……」

「もっと濃くても好きになってたよ」

「眩暈、酷い?それか吐き気?」

「あさひじゃないんだし。……吐き気でも男は相手してないから。とにかくこれは返してきて」

「小松原さんに、外出を禁止されてるから?」


 否定はしない。

 ただ、そうでなくても、今更あさひと顔を合わせたところで、どうにもならない。


「髪も伸びてきたから、また切って。あと塗り薬、発送ついでに買ってきて」

「先輩をどこまでこき使う気だよ」


 彩月は彼女に、今度こそあさひの名残りを押しつけた。大掃除の再開まで、まだ時間がある。部屋に戻って施錠した。


 反省も後悔もしていない。

 彩月は、ずっと今の美影の立場にいた。彼女以上に酷かった。
/372ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ