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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法
「映像だけでも切って」
「それも小松原さんのご所望」
「じゃあ、これ外して。モニター切るか、どっちかしか許さない」
佳子が、竹棒の先であさひの頬や鼻をつついていた。精液の付着していない部分の髪を、力任せに引っ張ってもいる。
『良い格好よ……あさひ。育江さんがご覧になったら、喜ばれるわ。蛙の子は蛙。娼婦の孫は娼婦。泥棒猫になんて、なるものじゃないわ』
「んっ、ん……」
『でも私は貴女の飼い主だから、貴女を許してあげなくちゃ。姿かたちだけは本当に可愛いわ、あさひ。貴女の弱さが可愛いわ』…………
それからまた、佳子が竹棒を振り上げた。
「小松原さんには、ちゃんと謝ってくる。だから行かせて」
「彩月が行っても逆撫でするだけ。あさひちゃんには悪いけど」
「分かってる。だから、志乃さんに連絡して。引き渡せば、小松原さんも追えないだろうから」
「彩月があさひちゃんを本当に選べるなら、私も考えていたと思う。でも、あんなの見ていて小松原さんを嫌いになれていないなら、その気持ちはまたすぐ揺らぐよ」
「──……」
それには反論出来なかった。
どうしても収集のつかない押し問答を、彩月は美影と続ける。その内に、彼女のスマートフォンが鳴った。