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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法
『美影?こんな時間まで悪いわね。ちょっと彩月をいじってくれない?』
「何のために……それに、あさひちゃんもちゃんと寝かせてあげて下さい」
『ええ、そうね、あさひはよく耐えたと思うのよ。頑張ったご褒美あげなくちゃね。それで、この子の大好きな注射をしてあげたくて。何本打とうか迷っているから、貴女が彩月をイかせた数にするわ』
あさひは、ぐったりと脱力していた。全身から疲労と諦念とを放って、ただ胸を上下させている。
『いつものように、可愛がるだけよ。私と同じくらい彩月を知り尽くした貴女には、簡単でしょう。ただ、あまりあさひを焦らしては可哀想だし……デスクの引き出しに入っている薬も使いなさい』
「小松原さん。彩月、謝りに行くと言ってます……」
『あさひのための謝罪なんて、聞きたくないわ』
そこで佳子がスマートフォンを置いた。ハンズフリーに切り替えた彼女は、あさひの口から数時間振りにタオルを抜いた。
『はぁっ、……』
『聞いていた?あさひ。美影は驚きもしなかった。貴女の味方をしていた彼女は、日常的に彩月を可愛がっていたもの。貴女がいなくなってからは、拍車がかかったわ』
『佳子様、が、命令されてるから……でしょう……っ?!』
あさひにしては珍しい強い口調を遮って、佳子の竹棒が寝台を叩いた。
『美影。この家畜に身のほどを知らせてやって。通話は繋げたまま、あさひにも聞かせてあげるの。貴女が甘やかしてキスでもすれば、彩月もすぐその気になるわ』