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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法
「あさひちゃんほど、上手く出来るか分からないけど」
「でも冬華さん、いかにもネコといった感じですし……」
「ううん。女の子を知らなかっただけ。あさひちゃんなら触れたい。もっと知りたい」
それは、どれだけ熱心に、そして抒情的に好意を伝えてきた学生達より、あさひの心を突き動かした。
冬華の優しさは柔らかい。あさひの入り組んだ精神の隙間を縫うようにして、進み入っていく。こじ開けることも支配しようとすることもなく、あさひが蓋を開けるまで、差し障りのない場所にとどまるつもりだ。
あさひが内定を取れるよう、尽力する。せっかく手に入れた当たり前の日常を、自棄から破壊するものではない。側にいて支えるから、交際を検討して欲しい。
冬華の告白は、熱心だった。
あさひは結論を保留にして、彼女のキスを受け入れた。