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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法
いくらか目の前が開けた気のしたあさひに、島村がスーツを脱ぐよう指示した。
「え……?」
「何てことない、身体検査ですよ。立花さん、スタイル良いですからね。仕事が出来るほど鍛えられそうか、体力を見るために必要なんです」
「…………」
十代の頃、脱衣に躊躇いはなかった。従って島村の要求は、その根拠からしても、恥じらう方が自意識過剰だ。
あさひは就職活動のために志乃に揃えてもらったジャケットを脱いで、シャツのボタンを外していく。
島村と面接官の血眼が、あさひの手元に釘づけだ。特に島村の方は、鼻息も荒い。
「おお……」
「どこまで脱げば……」
「全裸だよ。その方が分かりやすい。セックスをすれば尚、どれだけ体力があるか、こちらも見極められますからね」
「あ、強制ではありませんよ。抵抗があるのでしたら、お帰り下さい。採用候補の新卒生は、他にたくさんいますから」
つまり、男達は暗に仄めかしていた。要求を呑まなければ採用の話をなかったことにする、と。
しかも逃げ道を用意することで、あさひが裸体で彼らの欲望を満たしたとしても、同意の上だったとさえ言える。拒めば、あさひの元に、百何社目かの不採用通知が届く。