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秘匿の闇市〜Midnight〜
第3章 飼育される侍女達
「おはよう、よく眠れた?あさひ」
「小松原さん……。はい、おはようございます」
「寒い?エアコン、高めにしているはずだけれど」
「いいえ、ちょうど良いです」
「なら、起きていらっしゃい」
佳子の言葉に、あさひは躊躇う。
姫君の住むような部屋とは言え、内装がただそれらしいというだけで、窓もなければ扉もない、クローゼットもないここで、あさひはベビードールだけを身につけていた。
そして、佳子とあさひを隔てているのが鉄格子。本当に生活感があって広々とした、今まさに佳子達のいる場所からすれば、あさひがいるのは独房か、飼育小屋だ。人間が暮らすに相応しい部屋から鑑賞されるためにいるようなあさひの着ているベビードールは、完全に身体を透かしていた。
「どうしたの、シーツを取って、お座りなさいな」
「はい、小松原さん……あの、ところで、申し訳ないんですけどお手洗いは……」
佳子の隣にいる女は、荷物を積んだワゴンを引いているところからして、おそらく使用人だ。
パステルブルーの開襟シャツに黒いズボン、肩に触れるか触れないかほどの毛先を軽くすいた茶髪。綺麗とも格好良いともとれる顔立ちが、ユニセックスな佇まいを余計に垢抜けさせている。
ひとまず佳子に従って、初対面の女に大事な部分が丸見えの格好になったあさひは、恥を忍んで口を開いた。性的な方面では解放的でも、尿意を訴えるとなると別だ。
意識の覚醒に伴って、いよいよ下腹部のこそばゆさが増していく。
あさひが脚と脚の間をすり合わせていると、佳子が隣の女を見た。