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秘匿の闇市〜Midnight〜
第8章 愛され少女の教育法
「なんだ、一般人か。部屋をお間違えですよ」
「間違えてないよ。この淫乱マゾの匂い、あたしのペット以外ありえない」
「っ…………」
「何で、こんなに若い女の愛液の匂いしてるの?真面目な話で呼び出したんじゃなかったっけ。その子の叔母さんに居場所訊いたら、ホテルって聞いて、ジョークかと思ったんだけど」
島村と面接官の顔は、蒼白だ。彼らは目配せし合いながら、口の開閉を繰り返している。
「嘘……」
あさひは、いつから夢を見ていたのだろう。
男に組み敷かれて、諦念に満たされた肉体を彼らに明け渡そうとしていたところを妨げたのは、四年前、混濁した記憶の中で別れたはずの彩月だ。
涙が出るほど美しい。いや、誰より焦がれていた彼女だから、あさひは泣ける。心が顫えて。
「彩月さん……」
「そうだ、写真だ。全裸をばら撒くと言って、脅すん──…ぅぐっ」
彩月が島村のスマートフォンを払い落とした。素早く彼の両腕を背中に引いて交差させると、バッグから引き抜いたロープを巻きつけていく。